金相場リアルタイムチャート
海外市況ニュース:09月13日(土)
9/12、ニューヨーク市場の金は反発。始値3,672.80ドル、高値3,695.50ドル、安値3,667.30ドル、終値3,686.40ドル、前日比+12.80(+0.35%)。米ミシガン大学より発表された9月の消費者信頼感指数(速報値)は55.4。市場予想は58.0。前回は58.2だった。現況指数は61.2と、前月の61.7からわずかに低下。期待指数は51.8と、前月の55.9から大きく低下した。1年先のインフレ期待は4.8%と、前月の4.8%から横ばい。5年先のインフレ期待は3.9%と、前月の3.5%から上昇した。消費者調査ディレクターのジョアン・シュー氏は9月の低下について、経済環境、労働市場、インフレの三方面でリスクが上がっていると述べています。また、消費者は自身の収入や将来の個人財政についても不安を抱いており、現在および将来の個人の財政見通しは9月に約8%ほど低下したと報告しています。さらに、消費者インタビューの中で、約60%が自発的に関税を話題に挙げており、物価や購買力に対する懸念として、貿易政策の影響が非常に目立っているとのことです。まとめると、9月は主に将来への期待が落ちており、経済環境の先行きに対してより慎重になっていることがわかります。現状認識も若干悪化していますが、将来不安のほうがより顕著です。短期のインフレ期待は変わらず高く、5年先の期待も上がっていることから、インフレがしぶとく残るという見方が浸透しているようです。これは購買力や生活コストへのストレスが続いていることを示唆します。将来所得や雇用に対する不安が高まれば、貯蓄志向が強まることも予想されます。レポートによれば、低所得および中所得層での落ち込みが特に強いとのこと。これは支出構造や生活コストの影響を大きく受ける層であり、経済格差や政策的な対応の必要性が浮き彫りになります。ニューヨーク・債券市場では米国債が売られ米長期金利が4.06%台まで上昇。利息や配当を生まない資産である金の重荷となった。外国為替市場でユーロは対ドルで横ばいだった。一方、スイス大手銀行UBSは、2025年末の金価格予想を1オンス当たり3,500ドルから3,800ドル に、2026年中頃の見通しも、従来予想から3,900ドルに引き上げました。上方修正の背景には、米国の利下げ期待、米ドルの弱さ、中央銀行の買い入れ需要などが下支えになるとしています。金価格は、短期的には調整の可能性を念頭に置きながらも、利下げ期待・ドル安といった追い風があり、さらに上を試す展開も十分あり得ます。中長期的には不確実性(インフレ、地政学リスク、中央銀行の買いなど)が背景にあり、安全資産への需要が根強いため、価格上昇の基盤は比較的強いと見られます。
金とプラチナの関係
金相場よりもプラチナ相場が高いという状態が続いていましたが、現在ではプラチナ相場よりも金相場の方が高いという逆転状態となっています。金相場が上がるとプラチナ相場が下がるという訳ではなく、金とプラチナそれぞれに変動要因があります。金は個人買い、中央銀行の保有、宝飾品(半数以上)としての需要。プラチナは宝飾品の他に工業用としての需要が半数以上を占めています。金の弱材料はドル高(利上げムードの高まり)、インド(農作物価格低迷)による金買い消費の低迷。強材料は中国(経済減速懸念)、ロシア(原油下落、経済不振)による金買い消費の増加。プラチナの弱材料はドル高、米利上げによる世界経済の弱含み懸念、中国需要減少懸念、鉱山会社ロンミン(世界生産大3位)の事業閉鎖回避、フォルクスワーゲン問題。強材料はジンバブエ(世界生産第3位)の電力供給制限からの供給減少懸念。これらを比べてみると共通している部分もありますが、プラチナの方が弱材料が多いことが分かります。
金とドルと原油の関係
世界の基礎通貨はドルであり、世界経済もまたドルに依存しています。ドル安になればドルの資産価値は減り、その他の通貨や資産に投資することになりますが、その選択肢の一つとして金があります。金もドル建てで取引されている為、ドル安になれば金高になり、ドル高になれば金安になるという構図が一般的な解釈です。米国経済の動向も金とドルに大きな影響を与えます。米国経済指標である金利動向、消費者物価指数、鉱工業生産、失業率などの数値が好調なら、金が売られてドルが買われ、逆ならドルが売られて金が買われることになります。原油においては、ドル安=原油高、ドル高=原油安という構図になり、有事の際には金と原油が上昇すると言われています。しかし、最近ではこの構図に当てはまらないケースも多いです。
金などの主要貴金属について
- 金
ゴールド
Au - 主に宝飾品としてK18(750/1000)の品位が使われています。イエローゴールド(YG)とホワイトゴールド(WG)は定番の貴金属です。パラジウムやニッケルなどの割り金で色を変えることができ、イエロー、ホワイト、ピンク、ローズ、グリーンとバリエーションも豊富です。
- 白金
プラチナ
Pt - 日本では通称白金(はっきん)ですが、プラチナと呼ぶのが一般的です。欧米のブライダルジュエリーで人気なのは金ですが、日本ではプラチナの方が人気が高い。純プラチナは軟らかいので、パラジウムなどの割り金で品位の調整をしています。
- 銀
シルバー
Ag - シルバーはカジュアルに好まれている貴金属。硫化により黒く変色してしまうのが難点ですが、磨き直しもできます。宝飾品は925の品位が多い。925の中でも銅のみを混ぜた合金であるスターリングシルバーは時効硬化に優れています。
- パラジウム
Pd - 白金族に属する白色金属。貴金属として宝飾品にも使われており、プラチナ850~950やホワイトゴールドの割り金として利用されています。造幣局の貴金属品位証明制度において、金、プラチナ、銀の品位検定は行われていますが、パラジウムの品位検定は行っていません。
金について
金は装飾品として利用された最古の金属で、古くから貴金属の価値を認められてきました。また銀や銅と共に貨幣用金属の一つであり、貨幣や金貨としても流通しました。その利用価値の高さゆえ豊かさと富の象徴であり、金その物の所有や鉱山の所有、採掘の権利などが個人から国家の規模でしばしば争奪や係争の要因にもなりました。現在では技術の発達と共に歯科、エレクトロニクスなど様々な分野で利用されています。
金貨について
世界には様々な種類の金貨が存在します。金貨には大きく分けて通貨型金貨、地金型金貨、収集型金貨などがあります。金貨をアクセサリー類に利用したり、収集しているコレクターなども存在します。金貨の中でも最も信頼の高い、カナダの国旗にも描かれているカエデの葉が印象的な「メイプルリーフ金貨」はとても有名ですね。メイプルリーフ金貨は純度99.99%で、カナダ中央政府が保証する通貨。国際的な信頼もあり、すぐに現金化できると田中貴金属も太鼓判を押しています。
金の刻印について
金などの貴金属に刻印される品位は、JIS(日本工業規格)やISO(国際標準規格)により純度を千分率で表すことになっています。ですが、金については24分率いわゆるカラットで表す習慣が残っています。これは金特有の表示方法です。また、日本では999.9%以上なければ純金(K24 or 1000/1000)の表示は出来ません。
金の比重について
金の比重は比重計という機材で調べることができます。比重計とは、どんな物質にもある比重値というものを測る機材です。比重値が分かることで、金、プラチナ、銀などの様々な貴金属の判別ができます。比重計は買取の際にも使われており、貴金属の品位判別において参考程度に利用されるようです。また、金などの貴金属買取を専門的に行っているお店なら比重計は必ず置いてあります。
金の買取店の選び方について
まずは色々なお店の買取価格を比べてみましょう。インターネットで検索すればたくさんお店が出てきますので、売りたい品位(K18など)1gあたりの買取価格が高いお店をリストアップしておきましょう。おすすめは大手貴金属チェーンの店舗、有名な買取チェーンの店舗です。
金の買取手数料について
高額な手数料を引く貴金属買取業者が存在しています。手数料はなぜ引かれるのか?。自社で工場を持っているお店は買取した貴金属の精錬を行います。精錬の技術にもよりますが、基本的な目減りは1~2%前後と言われています。そういったお店がある程度の手数料を引くというのは納得がいきます。